2023/10/03 17:12

こんにちは。
気付けば10月、もう年末のことがリアルに頭によぎるような2023年も佳境を迎えてきた今日この頃です。

まだまだ暑かったり、寒かったり寒暖差が大きくなってきておりますが、体調はいかがでしょうか?

さて、今回は現在までに少なからずお客様から頂戴してきた問いの一つについて書かせて頂きます。

本題にもあります通り、当工房でのラインナップとして、インポートレザーのツートップは英国産ブライドルレザーとイタリア産ブッテーロといった展開となります。

そんな中で、グリーンやネイビーのように色味が重複した商品も存在します。

そのような場合は、お客様から「ブライドルレザーとブッテーロの違いは何ですか?」といったご質問を頂く事がございますので、
今回は、その違いについてのご説明とさせて頂きます。

まず、英国産ブライドルレザーは、掲載説明にこのように記載させて頂いております。

<ブライドルレザーとは?>
様々なブランドで採用され、
表面に「ブルーム」という白い粉のようなものが付着した革として有名なブライドルレザーですが、
元々英国にて、馬具で使用するために作られた革素材です。
数ある植物タンニン剤の中でも固く仕上がるオークで鞣すことで、硬く強靭に仕上げられます。
その後、ロウやワックス、オイルに時間をかけてじっくり、しっかり浸透させて作られた、
とても時間と手間を有して作られる逸品です。

使用すると共に、白いブルームは消え、
中に染み込んだワックスやオイルがゆっくりと表面に現れることで、
なんとも言えない奥域のあるツヤを醸し出します。
経年変化の美しさだけでなく、
馬具用として誕生しただけあって、
革の種類の中でも群を抜いて堅牢なものになります。

対して、

<ブッテーロ(BUTTERO)革とは>
イタリアのトスカーナ地方で、ワルピエという小さなタンナーが作っている、タンニンなめし革(オイルドレザー)です。使われている革の部位は、ステア(成牛)のショルダー(肩)の部分で、牛一頭の限られた面積しかとれず、希少性の高い高級な革であることが知られています。
トスカーナ地方で古くから受け継がれるタンニン鞣しの手法によって作られ、花や樹皮等の天然染料によって染色された、
とても革らしい、素朴な温もりを感じさせてくれます。
中でも、ブッテーロ革の最大の魅力は、
何と言っても「経年変化」の美しさです。
繊維がしっかりと詰まっている素材だからこそ、
じっくりと時間をかけて植物性のオイルを加えられることにより、その油分がゆっくりと表面に表れ、
大事に使用頂く事により、その他の革とは一味も二味も違う、
ダイナミックで美しい「色の深化と艶」が現れます。

といった説明文をそれぞれの素材を使用する際は添えさせて頂いておりますが、

端的にまとめますと、

英国産ブライドルレザーは、
白い付着物(ブルーム)が消えると共に、落ち着いた艶感をお楽しみ頂けるものとなり、
色の変化等はさほど大きくはありません。

イタリア産ブッテーロは、
透明感のある色味が特徴であり、
使用に伴う、色味の深まり(暗く濃くなる)のダイナミズム、同時に深まる艶感の美しさが魅力の素材です。


つまりは、あまり色の変化をするのは好きじゃない。といった方はブライドルレザー、
大きな変化の過程を楽しみたい方はブッテーロといったオススメ方をさせて頂いております。

どちらも魅力溢れる素晴らしい素材ですので、特性をお楽しみ頂けましたら嬉しいです。

どちらかで悩んでいるといった場合は、
当記事をご参考として頂けましたら幸いです。

また、他にも気になる点がありますような場合は、何なりとどんな事でもお気軽ご質問頂けましたら嬉しく思います。

それでは、また11月に!