2023/02/02 00:33

早くも20232月でございます。

早い、そして寒い、そんな今日この頃です。

今回は、Dajeyの事とはあまり関係ない内容かも知れませんが、ふと昔の事を思い出したので、気分任せで綴らさせて頂きます。

それは、もう20年程前になります。

当時、服が好きで、後に服飾専門学校に通う流れにもなる元のお話にもなるんですが、

日曜日になると、大阪の心斎橋アメリカ村によく買い物に行っていました。


当時は、インターネットが少し使えだした程度で、勿論スマートフォンはない時代でありました。


そのような状況でファッションに限らず様々なカルチャーで絶対的な影響力を持っていた媒体がありました。


それは、"雑誌"です。

ファッション誌で言えば、モード系、ストリートカジュアル、古着、HipHop系、Reggea系、アメカジ、ギャル系等、様々な趣味趣向に合わせたものが共存していました。


その状況は、アメリカ村のショップの生態にも顕著に反映されていました。

様々なタイプのお店が、アメリカ村周辺に散りばめられていたのでした。


そのような環境下で、好みのお店探しをするのは至難の業ですよね?

そんな時に重宝したのが、ショップの位置が記された雑誌のマップでした。


僕たちの買い物スタイルはこうです。

・心斎橋に午前11時頃着になるように出発

・持ち物はマップ付きの雑誌


まずは、心斎橋周辺のお店を攻めてから、

堀江、南船場、東心斎橋へと足を進めるという、一日仕事でありました。

今思い出せるよく行ってた店の名前は、comes a timecheesLoveBuzz、ガリブル、ジョニーエンジェル、Rocks、ザボウ、アンクルサム、ALtimtim、ビームス、シップス、ユナイテッドアローズ等、

ちょっと今パッと思い出せるのそんなところですが、かなり名前を忘れちゃったりしていますが、他のお店も含めて様々なショップに足を運んでいました。


最初のうちは、場所が雑居ビルのへんぴな場所にある店も多かったので、あっちこっち迷いながら探したもんでした。

今思えば、宝探しの探検のような感覚で、

お店を発見した時はメチャ嬉しかったのを覚えています。

雑誌に載っていた店員さんがいた時には芸能人を見たくらいの温度感があったかもしれません。


当時、回っていたお店は、インポートのヨーロッパのキレイめ系からアメリカ色の強いカジュアルなセレクトショップ、お香の匂いが充満したゴリゴリの古着屋さんまで、ジャンルレスで見てまわっていたのを思い出します。


正直言うと、その日に何も買わなかったとしても、探検をして店々の雰囲気やアイテムを見て回り、店員さんと話をしたりするだけでも、とても楽しかった気がします。


その反面、正直なところ、1日が暮れ始めると、何もゲットしていない事に焦りも感じたりしていたものでした(苦笑)


あそこの店のアレ、もう一回見に行きたいな、やっぱりアレあの時買っといたら良かったかな、なんて頭の中がグルグルしたりして、、


そして、いつも最後に足を運んでいたのは、

comes a timeさんでした。(今もあるはずです。)

その当時は雑居ビルの3階くらいだったかな?

階段を登った1室にある隠れ家的なお店でした。

隠れ家的な立地がアイテムを一層引き立てるように、拘りをもってセレクトされたインポートアイテムから国内の有名では無いけど厳選ブランド商品が並んでいました。


お店のコンセプトは、リラックスカジュアルといった感じで、デザインも含め、しっかりした上質なアイテムだけど、日曜日等の休みの日にさらっと着れるようなものでした。

ドレッシーなものやアウトドアブランドなんかも揃っていましたね。


一日中歩きまわって、疲れた足で階段を上がっていくと、ナチュラルな温かみあるコンパクトな空間がそこにあり、店員さんのフレンドリーな人柄もあり、服のことは勿論、美味しい店や音楽とかも教えてもらったりしていましたね。


結局、いつも最後にはそこで何かを買って帰るという流れが出来ていたような気がします。


今思い返すと、高校生くらいの時の今に残る良い思い出の一つですね。

革製品に触れ始めたのも、そういった体験が大きく影響しているんですけど、その話は長くなるので、また別の機会に綴らせてもらいます。


そんな事をぼんやり思い出していると、ひょっとすると同じ様な体験は現代では出来ない事だったなぁとか思ったりするんですよね。


今の時代は、テクノロジーが進み、ネットである程度何でも買えてしまうし、お店を探すにもGoogleマップを使えば、まあ迷う事は無いですしね。


便利になったし、当工房としてもネットでの受注を主としてるので、今の時代だからこその形態なんだとも自覚しております。

しかしながら、一消費者として個人的に感じる事は、

利便性で得たものの裏で、ショップ巡りでの探検、お店で流れるBGM、匂い、空間、スタッフさんとのやりとり、疲れた体で家に帰り、買った物を開封する喜び等のような、

多くの五感で感じる体験を失っているような気もしています。


とは言え、現代の利便性で得たものが時間だったとした場合、その時間を別の貴重な体験に変換する事は、また素晴らしい事だとも思っています。

難しいですね。。


とは言え、現代は顔を合わせないやりとりが当たり前だったりして、ネットでの買い物の店員さんはAIチャットだったり、

「よくある質問」として既に説明がなされていたり、

デバイスの向こう側に人の気配を感じない事も多々でございます。


当工房としては、顔を合わさないやり取りだからこそ、その向こう側には当然ですが、

日常の生活の中でのひと時に、当工房の商品を見つけて頂いて、そこに至るまでには様々な背景がある事を想像し、勿論お客様の全てどころかほぼ何も知り得ないですが、

直にお話させて頂くスタンスを大切にし、

テンプレートではなく直にメッセージさせて頂いております。


勿論、意思疎通が上手くいかない事もあったり私ますが、

とても尊いリアルでのコミュニケーションが出来ない分、

非効率かも知れませんが、そこは忘れずにやっていかなければと思う所存でございます。


気付けば長々と書いてしまいましたが、

たかがモノ、されどモノであり、

モノに囲まれて生きている人間である以上、

多い少ないは置いといて、身の回りの物々に大小のストーリーがある方が、人生が豊かになるという事を信じていたいと、改めて思った次第です。


それでは、素敵な2月を!


今月の一曲。