2021/06/28 16:34
桜が散り切った4月の終わりごろに、DajeyLeatherProductsとして、本格的に初めての企画を始動しました。
それが、
"想い出パック"ランドセル写真立て
です。
当プロジェクトにおける、揺るぎなく譲れないコンセプトは、消費するものに生まれ変えるのではなく、永久的に終わりのない形として、思い出を一つの形として真空パックする。ということでした。
ふと見渡せば、
世の中には沢山のリメイク業者様があって、
殆どは消費して使い切るタイプの商品(財布や各種ケース類)に生まれ変えてくれるサービスである中で、
Dajeyとして同じようなサービスとして参入しても意味が無いと捉えていて、
「ここにしかない革製品を!」をモットーに運営している中で、
元々、
リメイクに関しては特に関心の無いサービスではあったのですが、
ターニングポイントとして、
個人的に我が子が小学生に上がったタイミングもあったり、知人に話を頂いたりという流れがあった中で、
もしもDajeyとしてランドセルリメイクをするのなら何が出来るだろう?と言う問いの中、生まれたのが当写真立てです。
そして、とても有難いことに、
開始間も無い中で、既に沢山の受注を頂いている状況となっております。
誠に有難うございます。
そんな中で(ここからが本題です)
当企画を始める前には想像もしていなかった難題にブチ当たる機会に既に沢山出くわして参りました。
今回は、
それらの一部を紹介させて頂きます。
まず一つは、
想像はしていたつもりではあったのですが、
それ以上に実際に、お客様(お母様が多い)と説明のやり取りをする中で、お子様への思いを感じる機会が多く、その分、当たり前ではありますが、生半可なモノは作れないというプレッシャーもまた想定以上でした。
しかしながら、そんな中で完成したお品と、
お客様にお喜びの御感想を頂いた時は、
何事にも変え難い大きな喜びとなりました。
次に、"消費しない"写真立てというコンセプトのアイテムに仕立てさせて頂くにあたり、
10年以上前から保管しておられ、ランドセルの表面がパリパリにひび割れ劣化しているものでも、製作は可能になります。
それによって、
他社様ではリメイク不可なものでも当企画ではお受け可能ですので、比較的に劣化の激しいお品をご依頼頂く機会も少なくありません。
その場合、少し摩擦が加わるだけでボロボロに剥がれ落ちてしまいますので、取り扱い方や、ミシン掛けに関しては非常に神経を擦り減らすデリケートな作業となりました。
しかしながら、実際に写真立てに仕上がってみると、そのひび割れがステンドグラスのように素敵な質感として収まってくれたのが、とても驚いたと同時に、マイナス要素がプラスに生まれ変わる事への感動を憶えました。
その仕上がりにはお客様にも驚きとお喜びを共有頂けるものとなりました。
最後に難しかった点は、
ランドセル一つ一つが全く異なるデザインである事でした。
メーカー、素材も違えば仕様も違う事は勿論の事、小学校時代にお子様が貼ったシールがついていたり、
お母様がお子様の名前を書いていたり、
安全関係のものが付いていたり、
飾りが付いていたりという多種多様な状況が立ちはだかりました。
つまり、マニュアル通りの製作姿勢じゃとても間に合わないのでした。
その中で、せっかくの御縁を頂き、リメイクさせて頂くにあたり、
一つ一つの特色を出来るだけ見逃さないように拾い集めて、
写真立てに盛り付けていく作業が当たり前となりました。
どこまでを使用して、どこまでを使わないかの線引きは常に気を引き締めて、可能な限り、元のランドセルを引き継いだ生まれ変わりとなるように努めさせて頂いております。
まだまだ始動始めで、
右往左往する中、
開始して間も無いですが、ここまで携わらせて頂いた中で、
一番に感じる事は、
常套句の様に当たり前で野暮なセリフかもしれませんが、
一人一人、一家族ごとのドラマがそこにはあって、子育ての階段を登ってる途中であったり、登り切った先で、仮にお子様が自立し、大人になったとしても、小さな頃の思い出は鮮明に残っていて、親が子を想う愛情というものに変わりは無いのかなと、未熟ながら感じさせて頂き、いつも頂く事例ごとに、素敵なドラマを観させて頂いているような気持ちになって、
製作自体は簡単なものでは無いですが、その分、心が暖まりながら、本当に大切なお品を託して頂いているんだなと、
感謝の思いを噛み締めながら製作させて頂いております。
新たな取り組みである中で、
お客様にご満足頂けるよう、
常に高いレベルの緊張感が必要になってまいりますが、
オリジナル革製品に並行して、
今後も、"想い出パック"写真立て、
心を込めて製作して参りますので、
宜しくお願い致します!