スキニーブックカバー <マルチ>文庫本サイズ

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紙のように、薄くて軽いブックカバーです。
ベジタブルタンニン鞣しのキップ(仔牛)革を、極限まで薄く漉いて使用しています。
このマルチカラーは独自の技法により当工房で一枚一枚手染め染色しておりますので、一枚ごとに微妙に表情が違いますので、手染めプリントによる味が凝縮されています。
そして、長く使用する事で、革がしっとりと変化してきますので、より自分の手に馴染む感覚を楽しんで頂きたく思います。

本を固定するベルトを3本にする事で、
本と一体化し、より吸い付くようにフィットします。
そして、しおりを挟んではいたけど、「途中どこまで読んでいたっけ?」
そんな事ありませんか?

固定式のしおりを両サイドに一つずつ取り付けておりますので、
読み終わりのサイドの方を使用して頂く事で、読み終わりを見つけやすくなり、スムーズに続きを読み始める、ささやかな助けになります。

Dajey's ブックカバーストーリー
Jは日曜の昼下がり、よく晴れていたので、リージェントパークに出掛けた。
公園の近くのNews Agent(日本でいうコンビニみたいなもの)に立ち寄り、ポップコーンと紅茶を買って、公園内にある池の、ボート乗り場のそばのベンチに座り、ここ5年使い古して、少しクタっとした薄くて軽い革のカバーにシットリと包まれた最近買ったばかりのSFサスペンスの本を開いた。
現実離れしたストーリーに引き込まれ、1枚、また1枚、無我夢中にページをめくり続けた。
2時間程すると、すぐそばの池で子供の話し声が聞こえてきた。
少し休憩がてらに耳を傾けてみた。
「次、私の番!」
どうやら、男の子と女の子、二人の子供が交代しながら鴨に餌を上げているようだ。
Jは少し微笑ましい気分で空を見なら話し声を聞いていた。
すとる突然女の子が泣きだした。
「もう無くなっちゃったじゃない!?私、殆どあげてないわ!」
とても大きな声で泣いていた。
女の子を可哀想に思ったJは、まだ、3分の2程余っていたポップコーンを手に取り、
子供達に分け与えた。
すると女の子は泣き止み、すぐに笑顔になった。
Jはベンチに戻り、再び本の続きを読み始めた。
男の子と女の子は、楽しそうに一緒にJに貰ったポップコーンを空に振りまきながら沢山の鴨にあげていた。
しばらくすると、晴天だった空がすぐに、雲に包まれ、ポツリポツリと雨が降り出したてきた。
それに気付いた瞬間、公園は嵐のように渦巻く風に吹き包まれ始めた。
池は波打ち、木はざわめき立ち、雨は大粒に変わっていた。
あまりに突然の出来事にJはベンチから動く事が出来なかった。
しかし、子供達は、気にせず雨風に打たれながらも笑いながら楽しそうにポップコーンを空高く振り撒いていた。
あまりの風の強さに恐怖を覚えたJは力を振り絞り、ベンチから立ち上がり離れようとしていたその時、雨に混じり、木の葉がパサ、パサ、と地面に落ちてきた。
しかし「何か変だ。」
と気付いたJは勇気を出して、顔をしかめて目を細めながら、ゆっくり空を見上げてみた。
すると、Jの目に、信じられない光景が現れた。
風に吹かれながら、あちらこちらに飛び交う無数の葉っぱは、赤、黄、青、紫に、オレンジ、水色や白、様々な色で、風に踊るように空を覆い隠していた。
Jは、瞬き一つせず、口を開けたまま雨にしたたれながら、それを見ながら時間が止まったように、動くことが出来なかった。
ハッと我に返ったJは、風の隙間を這うように公園から逃げ出した。
前だけを見て、いや、厳密にいうと前さえも見ることが出来ず殆ど目を閉じながら無我夢中で走っては転びながら地面を転がるように走り続けた。
這うように、なんとか入ってきた公園の入口に辿り着き、ふと我にかえると、嵐は過ぎ去り、少し前の晴天に戻っていた。
何が何だか分からず、Jはしばらく起き上がる事が出来きず呆然としていた。
すると、足元に影のような気配と落ち葉を踏んだ、クシャっとした音を感じて、恐る恐る顔を上げると、さっきの子供達が立っていた。
男の子が心配そうに声を掛けた。
「お兄さん、大丈夫??」
Jは放心状態で、子供達を見つめたまま何も返す事が出来なかった。
すぐその後に女の子があるものを手渡してきた。
「ハイ、お兄さんこれベンチに忘れていたわ。」
それは、Wax加工の革に弾かれながら、少し水滴の乗ったブックカバーに包まれた本だった。
続けて女の子は言った。
「ポップコーンありがとうございました。すーーごく楽しかったわ!」
Jは、ホッとした表情で、こう返した。
「ありがとう。それは良かった。」
すると、子供達は満面の笑みで手を振り、丁度来たばかりのバスに乗り込み消えて行った。

続く。

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